2017/03/27
腸内細菌環境が生後どれくらいで決定するのか調べていたら、気になった情報。
大腸細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」って、聞いたことありますか?
腸内環境は、体全体に様々な影響を与えます。その腸内細菌叢はアレルギー発症、一部の精神疾患、認知症などにも影響があるらしいです。中には腸内細菌の違いで人の性格にも違いが出る?などという研究まであるそうです。
また大腸がん、肌への影響もあり、そして肥満についても重要な効果を現します。
その脂肪蓄積の抑制について、一端を担っている「短鎖脂肪酸」。
今回は腸内細菌の作り出す短鎖脂肪酸とダイエットについて調べてみました。
産後太り未解消のハラを見るたびため息が出るので、中から少しでも改善したいと思います…。
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短鎖脂肪酸の働き
腸内細菌によって作られる「短鎖脂肪酸」プロピオン酸、酪酸、酢酸など。これが、体に良い様々な働きをします。
- ミネラルの吸収を促進
- 免疫機能の調節
- 腸の蠕動運動を亢進する
- 消化管上皮細胞の増殖、大腸粘膜の粘液分泌亢進
- 酵素の分泌亢進
- 糖尿病の予防
- 食欲を抑える
- エネルギーバランスを保ち、過剰な脂肪の蓄積を抑制する
…等々。
便秘も良くなりそうだし、脂肪が溜まらないなんて、理想的ですね~。
短鎖脂肪酸が増えれば腸内のphが下がり、悪玉菌の影響を抑制する、といった効果も期待できます。
短鎖脂肪酸が作用するリクツ
学術記事を読むと、短鎖脂肪酸の受容体を活性化させることにより、エネルギーバランスを保つため自律神経や脂肪組織に作用するということのようです。交感神経節に多い受容体はGPR41、脂肪組織・免疫系組織に多いの受容体はGPR43といいます。
GPR41 は、短鎖脂肪酸を指標として体のエネルギーを一定に保つため、交感神経を制御します。食べすぎなどでエネルギーが過剰になった状態では、短鎖脂肪酸の増加により GPR41 が活性化し、交感神 経を刺激して、エネルギー消費を高めます。
GPR43 が活性化すると、過剰なエネルギーを脂肪として蓄積することを抑制し、 インスリン感受性低下を伴う悪性肥満を防ぎます。過剰なエネルギー摂取により短鎖脂肪酸が過度に増えたことを認識した GPR43 が、脂肪組織への蓄積を抑制して、エネルギーを消費するよう誘導することで、過度な肥満に起因する代 謝機能異常を防ぐのです。また、体全体におけるエネルギー消費をも高めています。
短鎖脂肪酸の材料・食材
経口摂取しても吸収されるだけなので、腸内細菌の発酵基質となる「水溶性食物繊維」を多く含む食品をとることです。食物繊維は、ヒトの消化酵素で分解できないため、大腸に届いてから細菌が利用できます。
「レジスタントスターチ」と呼ばれる、難消化性のデンプンが注目されています。
様々な食品に含まれていますが、米・豆・芋などの、和食によく使われる食材に多いのです。摂取しやすいですね。
一時期、冷めたごはんがダイエットに良い、という話が広まりました。
デンプンは加熱すると糊化しますが、それが冷めた状態になると、レジスタントスターチと呼ばれる難消化性の成分が増える、ということです。
冷めてパサパサしたご飯に抵抗がある方は、「玄米」がおすすめ!
圧力鍋で炊くと美味しいですよ!それを良く噛むことによって、満腹神経も働き、食べすぎも防止できます。そしてコメは摂取後に熱を多く産出し、蓄積することが少ないです。
単に「栄養価が高い」だけではないんですね、玄米食。
未精製の穀物は食物繊維を多く含みますが、米糠は特にビフィズス菌の餌となるようです。
他、青いバナナにも多く、オリゴ糖も難消化性で、ビフィズス菌の餌となります。ビフィズス菌は短鎖脂肪酸の基となる乳酸や酢酸をつくります。なおかつガスを発生させないそうなので、ガス腹による腹部膨満感の苦しさがありません。
大腸内の細菌環境
大腸内には様々な細菌が棲んでいて、その代謝産物を相互にやり取りしています。ある細菌が作り出した代謝物質を、別の細菌が利用してまた別の代謝物質を作り出す…といったリレーが行われています。
また、人によって大腸内の細菌の割合や、餌となる食事内容が違うので、どの代謝物質がどれくらいできるかを把握することはとても難しいようです。
必要なのは、腸内環境を良くしておく事です。例えば硫黄化合物の濃度が高くなると、短鎖脂肪酸の酸化が抑制されてしまいます。これは未消化のたんぱく質が大腸内に大量に入ることで起こります。食事内容を
善玉菌を増やし、また腸を酸性に保つことで、悪玉菌による腐敗物質の産出を抑えることができます。
前述のビフィズス菌を増やすために、オリゴ糖を摂取するのも良いでしょう。ただし、ビフィズス菌を増やさない糖もあるので注意してください。キシリトールが虫歯菌の餌にならないように、細菌の餌にならない糖も存在します。糖アルコールに分類されるものは、ビフィズス菌が利用できません。
体内には30種類ほどのビフィズス菌が棲んでいます。その菌が好み、腸まで届く難消化性のオリゴ糖も販売されています。(「カイテキオリゴ」など)
ちなみにオリゴ糖はGI値(グリセミック指数)も低く、血糖値を上げにくい糖です。身に付き難い糖ですね。
まとめ
・大腸内の細菌が作る短鎖脂肪酸は、脂肪蓄積抑制・エネルギー消費を上げる効果が期待できる。
・短鎖脂肪酸の基となる食物繊維・難消化性デンプンを摂る。
・腸内環境を良くして、善玉菌の餌を与える。
自分は、「玄米を主とする和食」「オリゴ糖摂取」に取り組んでみたいと思います!
最も手軽にできそうですし、母乳にも良さそう。
結局、玄米を良くかんで食べるのが一番かも、というのは面白いですね。最終的には和食に行き着くんですね~。
子どもにも良い食生活をさせてあげたいものです。